呪いを認識。とけろ

だけど、でも、大事だった、大切だった

 

電車で偶然乗り合わせた人と隣に座って体の一部が触れている。あんなに大好きだった人とはもう2度と触れ合うことがないと気づいて泣きそうになり、頭がおかしくなってしまったのかと思った。ずっとおかしい。

 

「もしかして結構1人好き?」

1人「も」好き、1人で行く選択肢がある、それだけ。

それだけのことを説明なしにお互いわかりあえていた人はかなり貴重だったことに気づく

 

もう言わない、書かないと決めたのに、たらたらと溢れてしまった思考がずっと頭を占拠していて、詰まってしまって動けない

どうしようもないことで脳みそを詰まらせてたまるか、そう思っているのに

 

偶然通った家の近くだと知っている道で煙草を吸ってみたりしても、何も意味はない。付き合っていた時からあの人はわたしのことを見つけようとはしていなかったから。ストーカーの一歩手前だ。ストーカーになる前に、死にたい。あなたが誰よりも先にわたしを見つけてほしいと思っていた。あなたが他の誰よりもわたしのことをずっとみつめていればいいのにと思っていた。結果として叶うことはなかった、叶うはずがなかったと言うべきか。わたしはあなたのことを誰よりも先に見つける。いつだってどこだって。そう思っていた。そう思っていたし実際そうだったのよ。

 

街を歩いていてもつまらなかった。わたしが1番かっこよかったからだと思う。だれの酔った姿も美しくはなかった。どのカップルも羨ましくなかった。何かを睨みつけるように歩いていても変なやつはついてくるんだなと感心する。どうせならわたしの知らない世界へ思い切り連れ出してほしい、わたしがヘッドホンを取らないからって諦めるくらいの根性で声をかけてくるんじゃない。インドへ、インドへ連れてゆけ。街はつまらない。つまらなくなってしまった。初めからつまらなかったものがつまらないものに戻っただけなのかもしれないが。つまんないってすぐ言わないようにしたいんだけど、あまりに色んなことがつまんなくて、つまんない。ピンスポを当ててもらって、輝きませんか?あの頃のように。

 

陽気で聡明な人の仄暗い部分を見つめて愛したいと、誰もがそう思っているでしょう。

無口で利発そうで優しい顔の綺麗な男性の、生涯ただ1人愛した相手でありたいと、誰もがそう思っているでしょう。

 

どうやら「典型的」なやつらしいです。「典型的」なものを自分が列挙してしまったとき、間違えて型にはまってしまったから悔しいという感情になるのをやめたい。はまりたい型にだけ、はまっていきたいのに。そう簡単になんでもうまくはいかない。

 

優しい人とは、いい人とは、かっこいい人とは、かわいい人とは、美しい人とは、なんでしょうか。

 

自分の世界に閉じこもってばかりじゃいけないのは、わかっている。もう少しだけ、あなたとぬくぬくと丸まっていたかったと思う。許されていたかった。

 

どうしようもなくしんどくなってやるせなくなる夜にこんなことを考えるのはやめた方がいい。メイクを落として寝ることにする。